危険物の分類(出題頻度☆☆☆)
危険物取扱者が扱う危険物は、消防法によって下記のように定められています。
「危険物とは、別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう」
消防法の定める危険物は火災が発生しやすい、消火が困難なことが特徴です。
また、消防法の定める危険物は固体と液体のみで、気体は含まれません。
危険物は6類に分類されています。
第1類危険物(酸化性固体)
他の物質を酸化する物質(酸化性物質)であり、酸素を放出し、ほかの可燃物を燃えやすくします。酸化性物質自体は燃えません(不燃性)。可燃物と混合すると激しく燃焼、爆発する危険があります。
第2類危険物(可燃性固体)
酸化されやすい物質(還元性物質)であり、低温で引火し、着火もしやすいです。還元性物質自体が燃えます(可燃性)。比重は1より大きい物が多いです。
性質が同じでも、粉状のものは危険性が高いよ。
たとえば、鉄の塊は危険物ではないけど、鉄が粉状になったものは酸素との接触面積が増えるので燃焼しやすく、第2類危険物に指定されているんだ。
第3類危険物(自然発火性物質、禁水性物質)
空気に触れると自然発火する危険のある固体または液体を自然発火性物質といいます。
水と触れると発火したり、可燃性ガスを発生する固体または液体を禁水性物質といいます。
第4類危険物(引火性液体)
酸化されやすい物質(還元性物質)であり、可燃性で引火性の液体です。乙4資格の範囲の危険物なので、後ほど詳しく解説します。
第5類危険物(自己反応性物質)
酸素を含み、その酸素によって自分自身が燃焼する、固体または液体の物質です。比重は1より大きい物が多いです。
第6類危険物(酸化性液体)
他の物質を酸化する液体(酸化性液体)であり、酸素を放出し、ほかの可燃物を燃えやすくします。酸化性液体自体は燃えません(不燃性)。
同じ類の危険物でも、消火の方法は違うことを覚えておこう!
本試験で狙われるポイント
第1類(固体)と6類(液体)危険物は他の物質を酸化させる酸化性物質であり、自身は不燃性である。
第2類(固体)と4類(液体)危険物は酸化されやすい還元性物質であり、自身は可燃性である。
第3類危険物(固体または液体)は自然発火性物質と禁水性物質であり、自身は可燃性である。
第5類危険物(固体または液体)は自己反応性物質であり、自身は可燃性である。
練習問題
問題 危険物の性質について、下記のうち誤っているものはどれか。
(1)固体の危険物の比重は1より大きい物が多いが、そうでないものもある。
(2)酸化性物質は不燃性であり、酸素を放出することで他の物質を燃えやすくする危険物である。
(3)還元性の固体は自身が燃えやすく、比重は1より大きい物が多い第4類危険物である。
(4)空気や水に触れると発火する危険のある危険物が存在する。
(5)第5類危険物は自分自身が酸素を含み、その酸素によって燃焼する自己反応性物質である。
解答(3)
還元性の固体は第2類危険物です。第4類危険物は還元性の液体です。