力(重要度☆☆)
物や運動の状態を変える働きのことを力といいます。力の単位としてN(ニュートン)を使います。
力の大きさは物体にかかる重力の大きさを基準にして決められます。
たとえば、質量100gの物体が受ける重力の大きさが約0.98Nです。
つまり、1Nとは約100gの物体を持った時に手にかかる大きさといえます。
圧力とは(重要度☆☆)
単位面積当たりに働く力の大きさを圧力といいます。
圧力はN/㎡(ニュートン毎平方メートル)、またはPa(パスカル)という単位で表します。
圧力を求める公式は以下の通りです。
圧力(N/㎡)または(Pa)=力の大きさ(N)÷面の面積(㎡)
公式が出てきて分かりにくくなってきた…
N(ニュートン)って聞きなじみがないから分かりにくいけど、ようは重さのことだと思えばいいよ!
例えば、りんご1個の重さが100gなら1N(ニュートン)、10個なら1kgで10N(ニュートン)。
N(ニュートン)=重さね!
N(ニュートン)を面の面積で割ると圧力になるのはどういうことですか?
たとえば、つまようじの尖っている方を刺すと痛いし、刺さりやすいでしょ?
逆につまようじの丸い方を刺しても、そんなに痛くないし、刺さりにくいよね?
つまり、当たる面の面積が小さく尖っている方が圧力が高い、面積が大きく丸い方が圧力が低いということなんだよ。
これをつまようじの重さを10g(0.1N)、尖っているほうの面積1m²、丸い方の面積10m²として公式に当てはめてみるね。
圧力(N/㎡)または(Pa)=力の大きさ(N)÷面の面積(㎡)
つまようじの尖っている方の圧力
圧力(N/㎡)または(Pa) =0.1(N)÷1(m²)
圧力は0.1(N/m²)
つまようじの丸い方の圧力
圧力(N/㎡)または(Pa) =0.1(N)÷10(m²)
圧力は0.01(N/m²)
本当だ!面積が広い方が圧力が低くなってる!
さらに、面の面積が同じでも、より重い(Nニュートンが大きい)方が圧力が高くなるよ。
例えば、包丁の先はつまようじと同じくらいの面積だけど、包丁の方が重いからつまようじより刺さりやすいよね。
そうかー、より重くて当たる面積が小さい方が圧力が大きくなるんですね。
大気圧とは(重要度☆☆)
地球は大気という空気の層に包まれています。
大気にも質量があるので、地球の重力によって圧力を受けます。
これを大気圧、または気圧といいます。
大気圧の単位にはhPa(ヘクトパスカル)を使い、1hPa=100Paです。
大気圧は、海面と同じ高さの場所で約1013hPaとなり、これを1気圧といいます。
1気圧=約1013hPa=約101300Pa
山の上の方では、空気の量が少なくなるので、そのぶん大気圧が低くなります。
パスカルの原理とは
固体に圧力をかけた場合、圧力がかかった方向にだけ固体に力がかかります。
例えば、物体を押したら、押した方向にだけ物体が動きます。
ところが、液体や気体は、圧力がかかった方向だけでなく、あらゆる方向に同じ大きさの圧力が伝わります。
例えば、風船をふくらませるとき、風船は均等に膨らんでいきます。
また、密閉された容器の中に静止した液体があるとき、液体の一部分に圧力をかけると、その液体内のすべての点の圧力が増加します。
これをパスカルの原理といいます。
パスカルの原理を応用すると、小さい力をより大きく利用することができます。
本試験で狙われるポイント
圧力(N/㎡)または(Pa)=力の大きさ(N)÷面の面積(㎡)
圧力は、接している面積が小さいほど高くなる。
圧力は、重い物質(Nニュートンが大きい)ほど高くなる。
大気圧は空気の重さによる圧力。
1気圧=約1013hpa
固体は圧力がかかった方向にだけ力が伝わる。
気体と液体はあらゆる方向に同じ大きさの力が伝わる。
練習問題
問題 圧力に関する記述で下記のうち誤っているものはどれか。
(1)質量1kgの物体が受ける重力は10Nである。
(2)ある物体の質量が500g、この質量を受ける面の面積が1m²であるとき、この物体を置いた床にかかる圧力は5Paである。
(3)1気圧は約1013hPaである。
(4)固体は、圧力を加えた方向にだけ力が伝わる。
(5)密閉した容器の中で静止した液体の一部に圧力が加わると、液体内の一部の点のみ、圧力が増加する。
解答(5)
密閉した容器の中で静止した液体の一部に圧力が加わると、液体内のすべての点の圧力が増加する。