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[危険物取扱者・乙4]化学変化

危険物乙4の化学変化
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物理変化と化学変化(重要度☆☆☆)

融解や凝固などの状態変化のように、物質の形や状態が変わるだけの変化を物理変化といいます。

第1章 1.物質の状態変化とは

これに対し、物質が性質の異なる別の物質に変わる変化を化学変化(化学反応)といいます。2種類以上の物質が結びついて新しい物質になる化合や、1つの物質が2種類以上の物質に分かれる分解などがあります。

物理変化の具体例
食塩を水に溶かして食塩水をつくる(溶解)
ドライアイスが気体の二酸化炭素になる(昇華)
エタノールにメタノールやホルマリン等を添加して変性アルコールをつくる(混合)
原油を分別蒸留してガソリンをつくる
バネに力を加えると伸びる
化学変化の具体例
紙や木が燃えて灰になる
ガソリンが燃焼して二酸化炭素と水蒸気が発生する
鉄が錆びる(酸化)
塩酸に亜鉛を加えると水素が発生する
水を電気分解すると水素と酸素が発生する(分解)
酸を塩基(アルカリ)で中和する

物質の種類(重要度☆☆☆)

物質は大きく、純物質混合物に分かれます。

混合物とは2種類以上の純物質が混合してできたものです。

純物質はさらに単体化合物に分かれます。単体は1種類の元素でできる純物質であり、化合物は2種類以上の元素でできる純物質です。

例えば、炭素は元素記号で「C」なので単体ですが、二酸化炭素は炭素と酸素でできている「CO2」なので化合物です。

オツドク先生
オツドク先生

化合は別の物質に変わるから化学変化だけど、混合は2つの物質がただ混ざるだけだから物理変化だよ。

純物質はそれぞれ決まった密度、融点、沸点がありますが、混合物は混合している物質の割合によって、密度、融点、沸点が変わります。

単体、化合物、混合物の例は下記の通りです。

  • 単体・・・炭素、酸素、水素、窒素、ナトリウム、硫黄、鉄、アルミニウム、黒鉛、オゾン、赤りん
  • 化合物・・・水、二酸化炭素、メタン、プロパン、エタノール、ベンゼン、アセトン、食塩、ジエチルエーテル
  • 混合物・・・空気、石油類(ガソリン、灯油、軽油、重油)、食塩水、砂糖水、希硫酸

同素体と異性体(重要度☆☆☆)

同じ元素でできた単体でも、原子の結合状態が違うために性質も違うものを同素体といいます。

例えば、ダイヤモンドと黒鉛はどちらも、炭素「C」という元素でできた単体ですが、性質は違いますので同素体です。

また、同じ分子式を持つ化合物なのに分子内の構造が違うために性質が異なるものを異性体といいます。

例えば、エチルアルコールとジメチルエーテルの分子式はどちらもC₂H₆Oですが、性質が違うので異性体です。

本試験で狙われるポイント

物理変化(融解、凝固、昇華など)は混ざるだけで物質は変わらない。

化学変化(化合、分解、酸化など)は違う物質になる。

単体は1種類の元素からなる純物質。

化合物は2種類以上の元素からなる純物質。

混合物は2種類以上の純物質が混合した物質。

練習問題

問題 物質の種類と物理変化と化学変化について、誤っているものはどれか。

(1)エタノールにメタノールやホルマリン等を添加して変性アルコールをつくったが、これは物理変化である。

(2)空気は酸素と窒素などの化合物だが、水は水素と酸素の混合物である。

(3)酸化、分解は化学変化である。

(4)エタノールは化合物だが、ガソリンは混合物である。

(5)水が水素と酸素に分かれた。この現象は化学変化であり、分解という。

解答(2)

空気は混合物で、水は化合物です。

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