元素と原子(重要度☆)
水素、炭素などの、すべての物質をつくる基本的成分を元素といいます。元素は原子という小さな粒子であり、原子の中心には原子核があり、(-)電気を持つ電子が周囲をまわっています。
原子核は(+)電気を持つ陽子と、電気を帯びていない中性子でできています。原子番号は原子の陽子の数です。
陽子の数と中性子の数を足した数が、その原子の質量数です。
原子量(重要度☆☆☆)
原子の質量は小さく、グラム(g)で表すと複雑になってしまいます。
そこで、炭素原子の質量を12と決めて、これを基準として、それぞれの原子の質量がいくらになるかを表した数値を原子量といいます。
例えば、水素(H)の原子量は1ですが、これは水素原子の質量が炭素原子の12分の1であることを表しています。
分子量(重要度☆☆☆)
分子は原子が結合した粒子であり、分子の質量を示す値を分子量といいます。
分子量は分子に含まれている元素の原子量を足して求めます。
たとえば、炭素Cの原子量は12、酸素Oの原子量は16なので、二酸化炭素であるCO₂の分子量は
12+16×2=44になります。
物質量mol(重要度☆☆)
原子や分子の粒子の数は多すぎるので、1つずつではなく、6.02×10²³個というまとまった数で扱います。
この6.02×10²³個を1モル(mol)といい、モルを使う物質の量を物質量といいます。
1molの質量は、その原子量や分子量にグラム(g)をつけたものと等しくなります。
例えば、水H₂Oの分子量は1×2+16=18なので、水1molは18gです。
また、炭素Cの原子量は12なので、炭素1molは12gです。
気体1molの体積は、0℃、1気圧の標準状態のとき、約22.4ℓになります。
6.02×10²³個という数字は覚えなくていいから、モル(mol)は物質量を表していることを覚えよう!
本試験で狙われるポイント
原子量は、炭素(C)の質量数12を基準として各原子の質量を表したもの。
分子量は、分子に含まれている質量のこと。
molは物質量を表し、1molは原子量や分子量にgをつけた数である。(炭素原子の質量数は12=1mol)
練習問題
問題 水(H₂O)36gに含まれる水素原子の物質量として、正しいものはどれか。ただし、Hの原子量は1、Oの原子量は16とする。
(1)1mol
(2)2mol
(3)4mol
(4)8mol
(5)16mol
解答(3)
水H₂Oに含まれる水素の物質量はH₂=Hが二つなので、2molです。
また、原子量1のHが二つ、原子量16のOが一つなので、水素の分子量は1×2+16=18です。
分子量18の水が36gあるので、水36gの物質量は2molです。
2molの水の中に、2molの水素が入っているので、2×2=4molが正しいです。