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[危険物取扱者・乙4]元素の分類

危険物乙4の元素の分類
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元素の分類方法はいくつかありますが、まず先に危険物乙4で重要な金属元素について見ていきましょう。

金属の特徴(出題頻度☆☆☆)

金属は下記の特性を持っています。

  • 融点が高く、常温で固体
  • 塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸に溶ける
  • 塩基性酸化物をつくる
  • 金属光沢がある
  • 熱や電気を通しやすい良導体
  • 比重が大きい
  • たたくと広がる(展性)、引っ張るとのびる(延性

比重が4以下の金属を軽金属、比重が4より大きい金属を重金属といいます。比重が1より小さい場合、水に浮きます。

金属には、電子を失って陽イオンになろうとする性質があり、これをイオン化傾向いいます。

金属が液体の中で陽イオンになると溶けます。また、空気中で陽イオンになると錆びます。

オツドク先生
オツドク先生

鉄が錆びるのは空気中で電子を失って(酸化)陽イオンになるからなんだよ!

金属のイオン化傾向の大きさは金属の種類によって違います。

イオン化傾向を大きい順に左から並べたものをイオン化列といいます。

イオン化傾向が大きい方が、より陽イオンになりやすい、つまり液体中で溶けやすく、空気中で錆びやすいです。イオン化列は下記の通りです。

KCaNaMgAIZnFeNISnPb(H)CuHgAg
カリウムカルシウムナトリウムマグネシウムアルミニウム亜鉛ニッケルスズ水素水銀
←イオン化傾向(大)
PtAu
白金
→イオン化傾向(小)
オツドク受験生
オツドク受験生

鉄→銅→銀→金の順番でイオン化傾向が小さくなるんだね!

オツドク先生
オツドク先生

金は液体の中で溶けにくく、錆びにくいよ。

金は資産運用にも使われるけど、経年劣化しにくいから資産価値が高いとも考えられるよね!

金属の表面が化学的、または電気的に侵されることを腐食といいます。

鉄の配管は、鉄が陽イオン化して溶けることで腐食します。

腐食しやすい条件は下記の通りです。

  • 湿度が高い、水分が存在する
  • 異なる土質が混ざっている場所
  • 中性化がすすんだコンクリート内
  • 迷走電流が流れている場所
  • 限度以上の塩分がある場所
  • 異種金属が接触している場所
  • 酸性が高い場所

併せて、金属の腐食を防ぐ方法を確認しておきましょう。

  • 防食材を使う。
  • 地下水と触れ合わないようにする。
  • コンクリートを強アルカリ性に保つ。
  • エポキシ樹脂などの合成樹脂で金属を覆う。
  • 腐食させたくない金属を、イオン化傾向の大きい異種金属とつなぐ。
オツドク先生
オツドク先生

腐食を防ぐには、金属が陽イオン化しにくくすることが大事だよ。

たとえば、鉄の配管を腐食させたくなければ、鉄よりイオン化傾向が大きい亜鉛やアルミニウムとつなげば、亜鉛やアルミニウムで腐食が進んで、鉄の配管の腐食を防ぐことができるよ!

元素の分類(出題頻度☆☆)

元素は1~18族に分類されています。このうち1、2、12~18族の元素を典型元素といいます。

元素の周期表の左側にある約80種類は、金属元素とよばれます。それ以外は非金属元素です。周期表の左下の元素ほど金属性が強いです。

・アルカリ金属(Hを除く1族元素)

Na⁺、K⁺のような、+1のイオン(1価の陽イオン)になりやすい。イオン化傾向が大きく、水溶液は強い塩基性を持っている。

・アルカリ土類金属(Be、Mgを除く2族元素)

Ca²⁺、Ba²⁺のような、+2のイオン(2価の陽イオン)になりやすい。

・ハロゲン(17族元素)

-1のイオン(1価の陰イオン)になりやすい。水素や金属と反応しやすく、強い酸化作用を持っている。

本試験で狙われるポイント

イオン化傾向とは、金属が電子を失って(酸化)陽イオンになろうとすること。

イオン化傾向が大きいほど、液体の中で溶けやすく、空気中で錆びやすい。

カリウム→鉄→銅→銀→金の順番でイオン化傾向が小さくなる。

腐食は、金属が陽イオンになって溶けだすことで進む。

練習問題

問題 金属の特性について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)金属は展性、延性があり、比重が大きい。

(2)金属の配管などは、電子を失って陽イオンになろうとする性質があり、これによって配管の腐食が進む。

(3)コンクリートを中性に保つと、金属の腐食が進みにくい。

(4)湿度が高い場所では金属の腐食が進みやすい。

(5)配管に使われている金属よりイオン化傾向が大きい金属を配管につなぐと、配管の腐食を防ぐことができる。

解答(3)

コンクリートが中性だと腐食が進みやすいです。

コンクリートを強アルカリ性に保つと腐食が進みにくくなります。

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