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[危険物取扱者・乙4]物質の状態変化とは

第1章 物理 1.物質の状態変化
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オツドク先生
オツドク先生

物質の状態変化は試験によく出るポイントだよ!

特に固体・液体・気体の三態の変化はチェックしておこう。

オツドク受験生
オツドク受験生

氷が水になったり、水が水蒸気になったりする変化ですね!

物質の三態(重要度☆☆☆)

物質には、固体・液体・気体の3つの状態があり、これを物質の三態といいます。

そして、固体・液体・気体の三態の間で変化することを状態変化と呼びます。

物質を加熱したり冷却したりすることで状態変化は起こります。

状態変化の種類は下記の通りです。

融解(加熱)

氷を加熱して溶けて水に変わるような、固体が液体になること。

融解するときの温度を融点、または融解点といいます。

蒸発(気化)(加熱)

水を加熱すると水蒸気に変わるように、液体が気体になること。

凝固(冷却)

水を冷却すると固まって氷に変わるような、液体が固体になること。

凝固するときの温度を凝固点といいます。

凝縮(液化)(冷却)

冷たい水が入ったコップに水滴がつくように、気体が液体に変わること。

昇華

ドライアイスやナフタリンのように固体が気体に変わったり、ダイヤモンドダスト(冬に木の枝についている氷の結晶)のように気体が固体に変わること。

オツドク先生
オツドク先生

状態変化は、固体→液体→気体みたいに徐々に柔らかくて実体のないものに変わっていくイメージだね!

ただ、ドライアイスが二酸化炭素に変わるように、いきなり固体→気体に変化する物質もあるよ。

オツドク受験生
オツドク受験生

固体→気体でも、気体→固体でも、両方昇華なんですね!

物質を構成している分子は、分子間力という力で互いに引き合っており、物質を加熱することでエネルギーが生まれ運動しようとします。

状態変化は、この運動によって行われます。

蒸発熱(気化熱)(重要度☆☆)

汗をかいた後、乾く段階で肌寒く感じますよね。いわゆる汗冷えです。

液体が蒸発するときは、周囲の熱を吸収します。液体1gが蒸発するときに吸収する熱量を蒸発熱、または気化熱といいます。

汗冷えはこの蒸発熱(気化熱)が原因で起こっています。

水の蒸発熱(気化熱)は他の液体の蒸発熱より大きいので冷たくなりやすく、消火活動によく使われます。

オツドク先生
オツドク先生

ユニクロのエアリズムのような、汗をかいても涼しく過ごせる服も、この気化熱を利用してるんだよ!

その他にも、固体を加熱して液体に変わるとき(融解)の熱を融解熱

気体を冷却して液体に変わるとき(凝縮)の熱を凝縮熱

液体を冷却して固体に変わるとき(凝固)の熱を凝固熱と言います。

オツドク受験生
オツドク受験生

あれ?

凝縮と凝固は物質を冷却して起こるのに、凝縮熱、凝固熱というんですか?

オツドク先生
オツドク先生

うん、水が冷えて氷になるとき、水の中にある余分な熱が放出されることで水が凍るんだよ!

このときに水から出ていった熱を凝固熱と言うんだね。

こんな感じで、熱エネルギーが出たり入ったりすることで物質が状態変化するよ。

物理変化(重要度☆☆☆)

温度や圧力が変わることで、氷が水になったり、水が水蒸気になりますが、状態が変わるだけで、違う物質に生まれ変わるわけではありません。

このように、状態や形だけが変わることを物理変化といいます。

たとえば、水の化学式はH₂Oですが、水が凝固して氷になっても、蒸発して水蒸気になっても、化学式はH₂Oのままです。

そのため、融解、凝固、蒸発、凝縮、沸騰などの三態の状態変化はすべて物理変化です。

三態の状態変化以外にも、物理変化には以下の例があります。

溶解

水に食塩を溶かすと食塩水になるように、液体に他の物質が溶けて均一な液体になること。

潮解

個体が空気中の水分を吸収して、湿ることで溶解すること。

風解

結晶水を含む物質が、空気中で自然に結晶水の一部、または全部を失って粉のようになること。

物理変化の具体例
食塩を水に溶かして食塩水をつくる(溶解)
ドライアイスが気体の二酸化炭素になる(昇華)
エタノールにメタノールやホルマリン等を添加して変性アルコールをつくる(混合)
原油を分別蒸留してガソリンをつくる
バネに力を加えると伸びる

本試験で狙われるポイント

固体→液体は、加熱して融解熱が発生することで融解すること。

液体→気体は、加熱して蒸発熱(気化熱)が発生することで蒸発すること。

気体→液体は、冷却して凝縮熱が発生することで凝縮すること。

液体→固体は、冷却して凝固熱が発生することで凝固すること。

固体→気体(ドライアイス、ナフタリン)と、気体→固体(ダイヤモンドダスト)は昇華という。

融解、凝固、蒸発、凝縮、沸騰などの三態の状態変化と溶解、潮解、風解は物理変化。

練習問題

問題 物質の状態変化について、誤っているものはどれか。

(1)鉄を加熱して溶かして液体状にすることを溶解という。

(2)水の入ったコップに氷を入れておいたら、コップに水滴がついた。この現象を凝縮という。

(3)水の蒸発熱は他の物質の蒸発熱より大きいので、消火活動に使われる。

(4)ドライアイスが二酸化炭素に変化することは物理変化であり、昇華という。

(5)物質が状態変化するときには、熱エネルギーが出入りしている。

解答(1)

固体である鉄を加熱して液体にすることは融解といいます。

溶解は液体に他の物質を溶かすことをいいます。


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