質量保存の法則(重要度☆☆☆)
物質が化学変化すると別の物質になりますが、質量は変わりません。これを質量保存の法則といいます。
たとえば、炭素(C)12gと酸素(O)32gが化合すると別の物質の二酸化炭素(CO₂)44gになります。
これは、化学変化すると原子の組み合わせが変わりますが、原子の種類と数は変わらないためです。
また、化合物の中で化合している元素の質量の比は常に一定です。これを定比例の法則と言います。
たとえば、水の元素は水素と酸素ですが、質量の比は常に「水素1:酸素8」です。
質量の比が「水素1:酸素8」 ということは、水が9gあったとき、元素の質量の割合は「水素1gと酸素8g」です。
ボイル・シャルルの法則(重要度☆☆☆)
温度が一定の場合、気体の体積(V)は圧力(P)に反比例します。これをボイルの法則といい、下記の式で表されます。
圧力P×気体の体積V=k(kは定数)
また、圧力P₁で体積V₁の気体が、圧力P₂で体積V₂になったとき、下記の式が成り立ちます。
圧力P₁×気体の体積V₁=圧力P₂×気体の体積V₂
温度が20℃、圧力が2、体積が4だったとき、2×4=8になる。
温度が20℃、圧力が4だとすると、ボイルの法則によって体積が2になるから、4×2=8。
つまり、温度が同じな場合、圧力と体積を掛け合わせた数字は常に一緒になるということなんだよ。
また、圧力が一定の時、気体の体積(V)は温度が1℃変わるごとに、0℃のときの体積の273分の1ずつ変わります。そして、温度を絶対温度(セ氏温度+273度)で表すと、気体の体積(V)は絶対温度(T)に比例します。これをシャルルの法則といいます。
難しい言い方になってるけど、「 圧力は同じのまま温度が変わると、比例して気体の体積も変わる 」と考えればいいよ。
たとえば、0℃で3ℓの気体が、同じ圧力のまま温度を1℃上げると、体積も273分の1増える。温度をこのまま273℃まで上げると、体積は2倍の6ℓになる。
絶対温度は0℃のとき273Kで、273℃になると2倍の546Kになってるから、体積も比例して2倍になるんだ。
絶対温度を忘れた人は復習しよう!
ボイルの法則とシャルルの法則を併せて考えると、一定量の気体の体積(V)は、圧力(P)に反比例し、絶対温度(T)に比例します。これをボイル・シャルルの法則といいます。
ちなみに、あらゆる温度・圧力で、ボイルの法則やシャルルの法則に従うと仮定した気体を理想気体と言うよ。
試験で直接問われることはほぼないけど、問題に専門用語として出てくることがあるから覚えておこう。
互いに反応しない2種類以上の気体(混合気体)を1つの容器に入れたとき、この混合気体の圧力(全圧)は、混合する前の気体の圧力の和と等しくなります。これをドルトンの法則といいます。
本試験で狙われるポイント
質量保存の法則は、物質が化学変化して別の物質になっても質量は変わらないこと。
ボイルの法則は、温度が一定のとき、気体の体積は圧力に反比例すること。
シャルルの法則は、圧力が一定のとき、気体の体積は絶対温度に比例すること。
ボイル・シャルルの法則は、一定量の気体の体積は、圧力に反比例し、絶対温度に比例すること。
練習問題
問題 化学変化や気体の法則について、誤っているものは次のうちどれか。
(1)水素と酸素が化合して水に変化したとき、水の質量は18gである。ただし、水素の質量は2g、酸素の質量は16gとする。
(2)銅8gに対して、酸素2gが化合すると、10gの酸化銅になる。ただし、酸化銅の元素の質量の比は銅:酸素=4:1とする。
(3)温度が一定のとき、4Paで12ℓの理想気体を容器に入れたところ、内部の圧力が8Paになった。この容器の容積は6ℓである。
(4)0℃で2ℓの気体の温度を273℃まで上げると、体積は4ℓになる。
(5)一定量の気体の体積は、圧力に比例し、絶対温度に反比例する。
解答(5)
一定量の気体の体積は、圧力に反比例し、絶対温度に比例します。
これをボイル・シャルルの法則といいます。