化学式(重要度☆☆)
二酸化炭素をCO₂というように、元素記号を組み合わせたものを化学式といいます。
化学式にはいくつか種類があります。
分子式
分子を構成する原子の種類と数を表す化学式です。
たとえば、酢酸の分子式はC₂H₄O₂です。
組成式
物質を構成する原子やイオンの数の割合を最も簡単な整数比で表した化学式です。
たとえば、酢酸の分子式C₂H₄O₂をCH₂Oと表したのが組成式です。
示性式
有機化合物の特性を示す原子団を官能基といいますが、この官能基を区別した化学式です。
構造式
分子内の原子の結合を直線(価表)で表した化学式。
化学反応式と量的関係(重要度☆☆☆)
化学式を使って化学変化を表した式を化学反応式といいます。
たとえば、水素と酸素が化合して水ができる反応を表すと、2H₂+O₂→2H₂Oとなります。
化学反応式の両辺は、原子の種類と数が同じでなければいけません。なので、化学式の前に係数をつけます。
また、反応の前後で変化しない物質(触媒など)は、化学反応式には書きません。
水素の化学式はH₂なのに2H₂になってたり、水の化学式はH₂Oなのに2H₂Oになってたりするのはなんでですか?
化学式だと水素はH₂、酸素はO₂。水素と酸素が化合してできる水はH₂Oだね。
これをそのまま式にするとH₂+O₂=H₂Oになる。
この式のままだと成り立たないのが分かる?
H₂+O₂=H₂Oだと…
左辺はO₂なのに、右辺はOが一つしかないということですか?
そう!
左辺と右辺の数がそろわないときは、少ない方に係数をつけてそろえるんだよ。
右辺のOを増やしたいから、H₂+O₂=2H₂Oにする。
H₂+O₂=2H₂Oだと、今度は左辺のH₂が少ないから、2をつけて2H₂+O₂→2H₂Oにするんですね!
そうだよ!
化学反応式は両辺の原子の数をそろえることを覚えておいてね!
化学反応式を見ると、物質の量的関係が分かります。
2H₂+O₂→2H₂O
上記の式で見ると、下記のようなことが分かります。
原子の質量は、Hが1g、Oが16gです。
2H₂ | O₂ | 2H₂O | |
分子の数 | 2分子 | 1分子 | 2分子 |
物質の量 | 2mol | 1mol | 2mol |
質量 | 4g | 32g | 36g |
体積 | 44.8ℓ | 22.4ℓ | 44.8ℓ |
化学式の前の数字が分子の数とmolの数だね!
分子の数=molの数、気体1molの体積は22.4ℓだよ。
原子ごとの質量は試験では問題文に示されていることがほとんどだから覚えなくて大丈夫!
本試験で狙われるポイント
CやOなどの元素記号を組み合わせたものを化学式という。
化学反応式は両辺の原子の数を合わせる。
化学反応式を見ると、分子の数、物資の量、質量、体積が分かる。
化学反応式の分子の数=物資の量(molの数)。
練習問題
問題 化学反応式について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)メタンの燃焼を化学反応式で表すと、CH₄+O₂→CO₂+H₂Oとなる。
(2)化学反応式の係数は、分子の数の比も表す。
(3)化学反応式の係数は、物質量の比も表す。
(4)気体の化学反応式の場合、係数は気体の体積比も表す。
(5)メタン16gと酸素64gが反応すると、二酸化炭素44gと水36gが生成する。ただし、化学式はそれぞれ、メタンCH₄、酸素O₂、二酸化炭素CO₂、水H₂Oとする。
解答(1)
化学反応式は両辺の原子の数を合わせなければならない。
CH₄+O₂→CO₂+H₂Oだと右辺のHの数が少ないので、右辺のH₂Oに2をつける。
CH₄+O₂→CO₂+2H₂O
今度は左辺のOの数が少ないので、左辺のO₂に2をつける。
CH₄+2O₂→CO₂+2H₂Oが正解。