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[危険物取扱者・乙4]熱量と比熱

第1章 物理 5.熱量と比熱
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熱量(重要度☆☆☆)

熱はエネルギーの1つであり、エネルギーの量を熱量といいます。

単位はJ(ジュール)またはkJ(キロジュール)で、1kJ=1000Jです。

温度はセ氏(℃)で表しますが、ケルビン(K)を使うときもあります。

ケルビン(K)は絶対温度と呼ばれる単位で、セ氏ー273℃を0度としたときの温度です。

温度が1℃上がると絶対温度も1K上がりますので、セ氏0℃のときは絶対温度は273Kです。

セ氏-273℃=0K

セ氏0℃=273K

温度が低下して、-273℃になると分子運動が停止します。物質の温度はー273℃以下にはならず、これを絶対0度といいます。

比熱(重要度☆☆☆)

物質1gの温度を1℃(または1K)上昇させるのに必要な熱量を比熱といいます。

単位はJ/(g・℃)またはJ/(g・K)です。

比熱の求め方の公式は以下の通りです。

比熱J/(g・℃)=熱量(J)÷(質量(g)×温度差(℃またはK))

たとえば、10gの物質の温度を10℃上げるときに200Jの熱量を使ったとしたら、

熱量200J÷(質量10g×温度差10℃)=比熱2J/(g・℃)

になります。

比熱の小さい物質は温まりやすく冷めやすい。

比熱の大きい物質は温まりにくく冷めにくい、という特徴を持っています。

例えば、水の比熱は4.2J(g・℃)であり、水1gの温度を1℃上げるには4.2Jが必要です。

オツドク先生
オツドク先生

水の比熱はここではキリよく4.2としましたが、 4.18や4.19と表されることもあります。

それに対して、食用油は比熱が0.51J/(g・℃)であり、食用油1gの温度を1℃上げるには0.51Jでよいです。

つまり、比熱が小さい食用油のほうが温まりやすいといえます。

水の比熱は液体の中では最も大きく、固体や気体の比熱も、水素のような例外を除けば、ほとんどが水より小さいです。

オツドク先生
オツドク先生

比熱が大きい水は温まりにくく、冷めにくいといえるね!

人間の体温が安定しているのも、体の大半が水で構成されているからだとも考えられているんだよ。

また、熱量はカロリー(cal)という単位で表すこともあり、1calは水1gの温度を1℃上昇させるのに必要な熱量で、1cal=4.2Jです。

熱容量(重要度☆☆☆)

物質全体の温度を1℃(または1K)上げるために必要な熱量を熱容量といいます。

単位はJ/℃またはJ/Kです。

熱容量を求める公式は以下の通りです。

熱容量をC、比熱をc、物質の質量をmとします。

C(熱容量)=m(物質の質量)×c(比熱)

たとえば、質量が30gで比熱が3J/(g・℃)の物質の熱容量は、

30g(質量)×3J/(g・℃)=90J/(℃)(熱容量)

になります。

オツドク先生
オツドク先生

比熱と熱容量は両方物質の温まりやすさと冷めやすさを示しているけど、比熱は1g当たり、熱容量は物質全体の温度を1℃上げるのに必要なエネルギーを表しているよ。

試験では、熱量を求める計算問題もよく出題されます。

公式は下記の通りです。

熱量(J)=比熱×質量×温度差

たとえば、質量が30gで比熱が3J/(g・℃)の物質の温度を20℃上げるのに必要な熱量は、

比熱3K/(g・℃)×質量30g×温度差20℃=1800J

となります。

オツドク先生
オツドク先生

1800Jは1.8kJ でもあるので注意しよう!

本試験で狙われるポイント

セ氏-273℃=0K、セ氏0℃=273K

物質はー273℃になると分子運動が停止し、それ以上温度は下がらない。これを絶対零度という。

比熱は物質1℃の温度を上げるのに必要な熱量

熱容量は物質全体の温度を1℃上げるのに必要な熱量

比熱と熱容量が小さければ温まりやすく、冷めやすい。

比熱と熱容量が大きければ温まりにくく、冷めにくい。

練習問題

問題 比熱と熱量に関する記述で、下記のうち誤っているものはどれか。

(1)物質の比熱が小さいほど冷めやすい。

(2)物質の熱容量が大きいほど温まりにくい。

(3) ある物質50gを、10℃から20℃まで上昇させるために2000Jの熱量を使った。 この物質の比熱は4J/(g・℃)である。

(4) 20℃の水100gを40℃まで温めるのに必要な熱量は0.84kJである。ただし、水の比熱は4.2J/(g・℃)とする。

(5)熱容量は、ある物質の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量である。

解答(4)

熱量は、比熱×質量×温度差で求められます。

式に当てはめると、比熱4.2×質量100×温度差20=8400Jです。

1000J=1kJなので、8.4kJとなります。

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