第4類危険物の分類(出題頻度☆☆☆)
第4類危険物は引火性液体です。
引火性液体は常温(20℃)で液体、可燃性蒸気を発生して空気との混合気体をつくり、点火源を与えると引火や爆発を起こす危険があります。
第4類危険物は引火点によって以下の7つに分けられています。
品名 | 引火点 | 物品 |
特殊引火物 | -20℃以下 | ジエチルエーテル、二硫化炭素 |
第1石油類 | 21℃未満 | ガソリン |
アルコール類 | 11℃~23℃程度 | エタノール |
第2石油類 | 21℃~70℃未満 | 灯油、軽油 |
第3石油類 | 70℃~200℃未満 | 重油 |
第4石油類 | 200℃~250℃未満 | ギヤー油 |
動植物油類 | 250℃未満 | アマニ油 |
物品ごとの引火点・発火点・比重
物品 | 引火点(℃) | 発火点(℃) | 比重 | |
特殊引火物 | ジエチルエーテル | -45 | 160 | 0.7 |
二硫化炭素 | -30以下 | 90 | 1.3 | |
第1石油類 | ガソリン | -40以下 | 300 | 0.65 |
アルコール類 | エタノール | 13 | 363 | 0.8 |
第2石油類 | 灯油 | 40 | 220 | 0.8 |
軽油 | 45 | 220 | 0.85 | |
第3石油類 | 重油 | 60 | 250 | 0.9 |
第4石油類 | ギヤー油 | 220 | 0.9 | |
動植物油類 | アマニ油 | 222 | 343 | 0.93 |
上から引火点が低い順にならんでいるね。
引火点が低いということはそれだけ引火しやすくて危険だということだよ!
基本的に本試験で問われることが多いのは、より危険な物が多いから危険度が高いものは要チェックだね!
第4類危険物の特徴と予防方法(出題頻度☆☆☆)
・引火しやすい
常温(20℃)または加熱することで可燃性蒸気が発生し、引火する危険があります。
対策としては、密栓し、冷暗所に保存する、火気や加熱を避ける、空間容積を確保することが挙げられます。
・水に浮く
第4類危険物の特徴として、水に溶けず(非水溶性)、比重が1より小さい物が多く、水に浮きます。このため、水の表面に広がり、燃焼面積が大きくなる危険があります。
・蒸気が空気より重い
第4類危険物の可燃性蒸気の比重は1より大きいので、空気より重く、低い場所に留まります。床にくぼみがある場合、そこに可燃性蒸気がたまるので危険が高まります。
対策として、換気をする、屋外の高所に排出する、防爆型の電気設備を使うことが挙げられます。
・静電気が発生しやすい
液体の流動によって静電気を発生しやすく、非水溶性で、電気の不良導体が多いため、静電気が蓄積されやすいです。
対策として、流速を遅くする、静電気が発生しにくい導電性材料を使う、湿度を上げて静電気を水分に移動させる、接地(アース)をすることが挙げられます。
消火方法(出題頻度☆☆☆)
第4類危険物のような可燃性蒸気による火災は、除去や冷却による消火は難しいので、窒息、抑制が有効です。
消火の方法について忘れた人は復習しておこう!
非水溶性の危険物の場合、水による消火や強化液の棒状放射は避けます。
水溶性の危険物の場合、耐アルコール泡を使います。
第4類危険物の火災に適切な消火剤と消火方法は下記の通りです。
消火剤 | 消火方法 |
強化液(霧状放射) | 抑制 |
泡消火剤 | 窒息 |
二酸化炭素 | 窒息 |
ハロゲン化物 | 抑制・窒息 |
粉末消火剤 | 抑制・窒息 |
いずれの消火剤も、油火災に対応できます。
本試験で狙われるポイント
第4類危険物は引火性の液体であるため、火気を近づけない、密栓して保管する。
非水溶性であるため、水と棒状強化液による消火はできない。
蒸気が空気より重い(蒸気比重が1より大きい)ため、低い場所にたまらないように換気する。
静電気が発生しやすいので、液体の流速を遅くする、接地(アース)をする等の電気がたまらない対策をする。
練習問題
問題 第4類危険物の特性について、誤っているものはどれか。
(1)第4類危険物は電気の不良導体のものが多く、湿度を上げたり、容器やタンクに電気を通しやすい物質を材料に使うことで災害対策をする。
(2)ガソリンを容器に保存するときは、可燃性蒸気がたまらないようにするため、密栓しない。
(3)第4類危険物は蒸気比重が1より大きく、低所にたまりやすいため、換気を十分行い、屋外の高所に排出する。
(4)灯油による火災が起きたとき、霧状強化液の消火は適切である。
(5)第4類危険物は液体の比重が1より小さいものが多いが、一部例外もある。
解答(2)
可燃性蒸気が漏れないように、容器を密栓します。