指定数量(出題頻度☆☆☆)
危険物の貯蔵や取扱いが消防法による規制を受けるかどうかの基準となる数量を指定数量といいます。
指定数量以上の危険物を貯蔵したり取扱う場合、消防法によって規制を受けます。
一方、指定数量未満の場合、市町村が定める条例によって規制されます。
指定数量を超えるということは、危険物の取り扱う量が増える=より危険性が高くなるということだね。
だから指定数量を超える場合、消防法という国の法律でより強く規制して、指定数量を超えない場合は市町村の条例で規制するだけなんだ。
危険性の高い物ほど指定数量が少なめに設定されています。水溶性より非水溶性の方が危険なので、非水溶性の指定数量は水溶性の半分になっています。
第4類危険物の指定数量はよく出題されるので押さえておきましょう。
品名 | 性質 | 物品 | 指定数量 |
特殊引火物 | ジエチルエーテル | 50ℓ | |
第1石油類 | 非水溶性 | ガソリン | 200ℓ |
水溶性 | アセトン | 400ℓ | |
アルコール類 | メタノール | 400ℓ | |
第2石油類 | 非水溶性 | 灯油、軽油 | 1000ℓ |
水溶性 | 酢酸 | 2000ℓ | |
第3石油類 | 非水溶性 | 重油 | 2000ℓ |
水溶性 | グリセリン | 4000ℓ | |
第4石油類 | ギヤー油 | 6000ℓ | |
動植物油類 | アマニ油 | 10000ℓ |
指定数量の倍数(出題頻度☆☆☆)
貯蔵したり取扱っている危険物の量が、指定数量の何倍かを表す数字を指定数量の倍数といいます。この倍数が1を超える場合、消防法による規制を受けることになります。
たとえば、ガソリンの指定数量は200ℓですが、扱っているガソリンが1000ℓの場合、指定数量の5倍のガソリンを扱っているので、消防法によって規制されます。
また、ガソリン(指定数量200ℓ)100ℓ、灯油(指定数量1000ℓ)600ℓのように、危険物を数種類扱っている場合、それぞれの危険物の指定数量の倍数を足して、どのように規制を受けるか決めます。
上記の例だとガソリンが0.5、灯油が0.6で、足すと1を超えるので消防法による規制を受けます。
本試験で狙われるポイント
特殊引火物の指定数量は50ℓ。
第1石油類(ガソリン)の非水溶性の指定数量は200ℓ。
アルコール類の指定数量は400ℓ。
第2石油類(灯油・軽油)の非水溶性の指定数量は1000ℓ。
第3石油類(重油)の非水溶性の指定数量は2000ℓ。
非水溶性の指定数量は水溶性の半分。
練習問題
問題 危険物の指定数量について、誤っているものはどれか。
(1)指定数量以上の危険物を貯蔵、取り扱う場合、消防法による規制を受ける。
(2)指定数量が多いほど、危険性が少ない物品だといえる。
(3)灯油500ℓと軽油500ℓを同じ場所で取り扱う場合、指定数量の2倍に相当する。
(4)特殊引火物の指定数量は50ℓであり、第4類危険物の中で一番少ない。
(5)第1石油類の非水溶性の物品を貯蔵する場合の指定数量は、第1石油類の水溶性の物品の半分の指定数量である。
解答(3)
灯油と軽油の指定数量はそれぞれ1000ℓです。
灯油500ℓの指定数量の倍数は0.5、軽油500ℓの指定数量の倍数は0.5で、足すと1になるので、指定数量の2倍は誤りです。