移動タンク貯蔵所の位置・構造・設備の基準(出題頻度☆☆☆)
移動タンク貯蔵所とは、いわゆるタンクローリーのことです。
移動タンク貯蔵所には保安距離と保有空地は必要ありませんが、車両を駐車する常置場所には基準があります。
常置場所が屋外の場合は防火上安全な場所、屋内の場合は壁や床等を耐火構造か不燃材料でつくった建物の1階に置かなければいけません。
常置場所を変更するときは製造所等の位置の変更になるので、市町村長等に申請しなければいけません。
構造と設備の基準は下記の通りです。
容量 | 容量は30000ℓ以下で、4000ℓ以下ごとに間仕切板を設ける |
材料 | 厚さ3.2mm以上の鋼板等でつくる |
安全 |
・外面には錆止めの塗装をする ・容量が2000ℓ以上のタンク室に、防波板を移動方向と平行に2か所設ける ・タンク室それぞれにマンホール、安全装置を設ける ・マンホール、安全装置がタンクの上に突き出ている場合、その周囲に防護枠、タンクの両側の上に側面枠を設ける |
設備 |
・タンクの下に排出口を設ける場合、底弁を設置する ・非常時に底弁を閉鎖できるように、手動閉鎖装置と自動閉鎖装置を設ける。手動閉鎖装置はレバーを手前に引き寄せ底弁を閉鎖する。 ・配管の先端に弁を設ける ・静電気災害の可能性がある液体危険物を貯蔵する場合、接地導線(アース)を設ける ・車両の前後に「危」と表示する |
防波板は字のとおり、波を防ぐ板だよ。
液体を大量に載せた車がブレーキをかけると波がおきて、最悪の場合タンクローリーが横転してしまうから、波が起きないように防波板を設置するんだよ!
簡易タンク貯蔵所の位置・構造・設備の基準(出題頻度☆☆)
簡易タンク貯蔵所は、保安距離は不要ですが、保有空地は屋外に設置する場合、タンクの周囲に1m以上必要です。
構造と設備の基準は下記の通りです。
容量 | 600ℓ以下 |
材料 | 厚さ3.2mm以上の鋼板でつくり、外面には錆止めの塗装をする |
設備 |
・無弁通気管を設ける ・1つの簡易タンク貯蔵所に置けるタンクは3基まで。ただし、同一品質の危険物は1基のみ。 ・タンク専用室内に置く場合、タンクと壁の間は0.5m以上空ける |
本試験で狙われるポイント
移動タンク貯蔵所のタンク容量は30000ℓ以下で、4000ℓごとに間仕切りを置く。
移動タンク貯蔵所のタンク容量が2000ℓ以上の場合、タンク室に防波板を置く。
移動タンク貯蔵所は、非常時に底弁を閉鎖できるように、手動閉鎖装置と自動閉鎖装置を設ける。手動閉鎖装置はレバーを手前に引き寄せ底弁を閉鎖する。
簡易タンク貯蔵所に保安距離は不要だが、屋外に設置する場合、保有空地が1m以上必要。
簡易タンク貯蔵所のタンク容量は600ℓ以下。
簡易タンク貯蔵所に設置できるタンクは3基まで。同一品質の危険物は1基だけ。
練習問題
問題 移動タンク貯蔵所と簡易タンク貯蔵所の設置基準についての説明で誤っているものはどれか。
(1)移動タンク貯蔵所のタンク容量は30000ℓ以下で、4000ℓごとにタンクの内部に間仕切を設ける。
(2)移動貯蔵タンクの容量が2000ℓ以下の場合、防波板を設けなければならない。
(3)簡易タンク貯蔵所のタンク容量は600ℓ以下で、1つの簡易タンク貯蔵所には3基までタンクを置くことができる。
(4)簡易タンク貯蔵所には保安距離は必要ないが、屋外に設置する場合は幅1m以上の保有空地が必要である。
(5)移動タンク貯蔵所の排出口の底弁には自動閉鎖装置と手動閉鎖装置を設け、手動閉鎖装置は手前に引き倒すことで閉鎖させる。
解答(2)
移動貯蔵タンクの容量が2000以上の場合、防波板が必要です。