位置の基準(出題頻度☆☆)
屋外タンク貯蔵所は保安距離と保有空地を必要とし、保有空地の幅は指定数量の倍数によって決められています。
また、引火点を持つ液体危険物を貯蔵または取り扱う場合、タンク側板から敷地の境界線までに敷地内距離を必要とします。敷地内距離は保安距離と保有空地の間に必要とするイメージです。
タンク周囲に保有空地、タンクから敷地の境界線までが敷地内距離、タンクから保安対象物までが保安距離だよ!
構造と設備の基準(出題頻度☆)
屋外貯蔵所の構造と設備の基準は下記の通りです。
屋外貯蔵タンク |
・厚さ3.2mm以上の鋼板でつくる ・外面に錆止めを施す ・配管の材質は製造所の基準と同じ |
液体危険物の貯蔵 |
・危険物の量を自動的に表示する装置を置く ・静電気による災害の可能性がある場合、タンク注入口に静電気を除去する接地電極を設ける |
圧力タンク | 安全装置を置く |
圧力タンク以外のタンク | 通気管を設ける |
避雷設備 | 指定数量の倍数が10以上の場合に設ける |
防油堤の基準(出題頻度☆☆☆)
液体危険物(二硫化炭素以外)を屋外タンクで貯蔵する場合、周囲に防油堤を設けなければいけません。
防油堤の基準は下記の通りです。
容量 |
引火点を持つ液体危険物の場合、タンク容量の110%以上とする。同じ防油堤の中に貯蔵タンクが2つ以上ある場合、容量が最大であるタンクの110%以上とする。 例:重油300kℓ、ガソリン100kℓを貯蔵する場合、容量が最大である重油300kℓ×1.1=330kℓ以上が防油堤の容量となる。 |
設備 |
・内部の滞水を排出する水抜口と、水抜口を開閉する弁を設ける ・高さは0.5m以上 ・高さ1mを超える場合、約30m毎に階段設ける |
本試験で狙われるポイント
引火点がある危険物を取扱う場合、タンクから敷地まで敷地内境界線が必要。
二硫化炭素以外の液体危険物を取扱う場合、防油堤が必要。
防油堤の容量はタンク容量の110%以上。(例:500kℓのタンクなら550kℓ以上の防油堤)
練習問題
問題 屋外タンク貯蔵所の構造ならびに設備の基準として、次のうち誤っているものはどれか。
(1)引火点を有する液体危険物を貯蔵、取扱う屋外タンク貯蔵所は、タンクから敷地境界線までに敷地内距離を必要とする。
(2)指定数量の倍数が10以上の場合、屋外タンク貯蔵所に避雷設備を設ける。
(3)防油堤は、引火点にかかわらず液体危険物を貯蔵、取扱う場合に必要となる。
(4)ガソリン100kℓ、灯油50kℓ、軽油30kℓを貯蔵するタンクがそれぞれ同じ防油堤内にあるとき、防油堤の容量は118kℓ以上にしなければならない。
(5)防油堤には内部の滞水を排出する水抜口と、水抜口を開閉する弁を設ける。
解答(4)
防油堤内の最大の容量のタンクの110%以上が防油堤の容量です。
この問題だと、防油堤内の最大容量のタンクはガソリン100kℓなので、110kℓ以上が防油堤の容量になります。