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[危険物取扱者・乙4]運搬の基準

危険物乙4の運搬の基準

危険物の運搬(出題頻度☆☆☆)

トラックなどの車両で危険物を運ぶことを危険物の運搬といいます。

タンクローリーのような移動タンク貯蔵所による移送とは違うので注意しましょう。

危険物を貯蔵や取扱いするとき、指定数量以上の場合は消防法による規制を受け、指定数量未満の場合は市町村の条例によって規制されます。

これに対し、危険物を運搬するときは、指定数量に関係なく消防法による規制を受けます。

運搬の規制は運搬容器・積載方法・運搬方法の3つに分かれます。

運搬容器(出題頻度☆☆☆)

・容器は簡単に壊れず、口から危険物が漏れないようなものを使う。

・材質は鋼板、アルミニウム板、ガラスなど、規則によって決められたもの。

積載方法(出題頻度☆☆☆)

・危険物は原則、運搬容器に入れて積載する。運搬容器に入れるときは漏れがないように密封する。また、固体の危険物は内容積の95%以下にし、液体の場合は98%以下で55℃の温度でも漏れないように空間容積を十分にとる。

・運搬容器が倒れたり、壊れないように積載する。

・運搬容器は収納口を上に向ける。

・運搬容器を積み重ねるときは高さ3m以下にする。

・運搬容器の外側に、危険物の品名、数量、危険等級、化学名、第4危険物の水溶性には水溶性、危険物に応じた注意事項を記載する。危険物に応じた注意事項は下記の通り。

危険物の種別注意事項
第1類危険物ほぼ全部火気、衝撃注意、可燃物接触注意
第2類危険物引火性固体以外火気注意
引火性固体火気厳禁
第3類危険物自然発火性空気接触厳禁、火気厳禁
禁水性禁水
第4類危険物すべて火気厳禁
第5類危険物すべて火気厳禁、衝撃注意
第6類危険物すべて可燃物接触注意

・危険物に応じた措置を講じる。必要な措置は下記の通り。

第1類危険物

第3類危険物の自然発火性

第4類危険物の特殊引火物

第5類危険物

第6類危険物

遮光性の被覆でおおう

第1類危険物のアルカリ金属の過酸化物

第2類危険物の鉄粉・金属粉・マグネシウム

第3類危険物の禁水性

防水性の被覆でおおう
第5類危険物の55℃以下の温度で分解する可能性があるもの保冷コンテナに入れるなど、適正な温度管理をする

・原則、指定数量の10分の1を超える場合、違う類の危険物を同じ車両に載せてはいけない(混載禁止)。ただし、第1類と第6類、のような足して7になる類同士の組み合わせと、第2類と第4類と第5類、などの2類、4類、5類はそれぞれ混載しても良い。

オツドク先生
オツドク先生

第4類危険物は2類、3類、5類なら混載できるよ!

運搬方法(出題頻度☆☆☆)

・運搬容器に摩擦や衝撃を与えないようにする。

・運搬しているとき、危険物が漏れるなどの事態が起きたら応急措置を施し、最寄りの消防機関等に通報する。

・危険物の運搬には、危険物取扱者は車両に乗らなくても良い。

・指定数量以上の危険物を運搬する場合、消火設備と標識を設置する。標識は車両の前後に「危」と表示する。

本試験で狙われるポイント

危険物の運搬は指定数量に関わらず消防法の規制を受ける。

運搬容器に品名、危険等級、化学名、数量、注意事項を表示する。

指定数量の10分の1を超える場合、類が違う危険物を混載してはいけない。ただし、第4類危険物は2類、3類、5類となら混載できる。

指定数量以上の運搬をする場合、標識と消火設備が必要。

練習問題

問題 危険物を運搬する際の法令上の基準について誤っているものはどれか。

(1)危険物を運搬する際、指定数量未満でも消防法の規制を受けるため、運搬容器に品名、危険等級、化学名、数量、注意事項を表示しなければならない。

(2)指定数量の10分の1を超えた場合、第4類危険物と第2類危険物は混載できない。

(3)指定数量以上の運搬をする場合、「危」と表示した標識や、消火設備を設置しなければならない。

(4)運搬容器の収納口は上を向け、積み重ねる場合は高さ3mを超えてはならない。

(5)指定数量に関わりなく、危険物の運搬は危険物取扱者でなくてもよい。

解答(2)

指定数量の10分の1を超えた場合でも、第4類と第2類危険物は混載できます。

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