燃焼とは(出題頻度☆☆☆)
物質が酸素と結びつくことを酸化といい、そのなかでも熱と光が発生するものを燃焼といいます。
燃焼には、燃えるもの(可燃物)、酸素(酸素供給源)、火(点火源)の3つが必要です。
逆にいうと、火を消すには3つのうちのどれかを除去すればよいということになります。
可燃物には、木材、紙、有機化合物の大半が当てはまります。ただ、二酸化炭素はこれ以上酸化しないので不燃物で、一酸化炭素は可燃物です。
酸素供給源には、可燃物に含まれている酸素、酸化剤等に含まれている酸素、空気中の酸素があります。空気中の酸素の濃度が高くなるほど激しく燃焼し、15%以下になると燃焼しません。
点火源には、静電気、摩擦、火花が当てはまります。融解熱や蒸発熱は当てはまりません。
固体・液体・気体の燃焼(出題頻度☆☆☆)
・固体の燃焼
固体が加熱されて分解し、そのとき発生する可能性蒸気が燃焼することを分解燃焼といいます。紙、木材、石炭などが当てはまります。
分解燃焼のうち、固体に含まれている酸素によって燃える燃焼を自己燃焼(内部燃焼)といいます。ニトロセルロース、セルロイドが当てはまります。
固体の表面だけが赤く燃える燃焼を表面燃焼といいます。表面燃焼は分解も蒸発もしません。木炭やコークスが当てはまります。
分解燃焼は炎が出るけど。表面燃焼は炎が出ないよ。
紙や木を燃やすと火が出るけど、木炭を燃やしても火が出ないことをイメージすると分かりやすいね!
加熱された固体が熱分解せずに蒸発して、その蒸気が燃える燃焼を蒸発燃焼といいます。硫黄、ナフタリンが当てはまります。
・液体の燃焼
液体が燃えるのではなく、液体から蒸発した可燃性蒸気が空気と混合して、点火源によって燃焼することも蒸発燃焼といいます。ガソリンや灯油など、第4類危険物はこれに当てはまります。
第4類危険物はすべて液体なので、この蒸発燃焼によって燃えるものばかりだよ!
・気体の燃焼
可燃性ガスと空気が一定の濃度範囲で混合することで気体の燃焼が起きます。あらかじめ混合して燃焼することを予混合燃焼、混合しながら燃料することを拡散燃焼といいます。
燃焼のしやすさ(出題頻度☆☆☆)
燃焼しやすい物質は下記の通りです。
- 周囲の温度が高いもの
- 乾燥度が高いもの
- 表面積が大きいもの
- 酸化されやすいもの
- 発熱量が大きいもの
- 可燃性蒸気が発生しやすいもの
- 熱伝導率が小さいもの
熱の移動と熱膨張で解説したように、熱伝導率が小さい方が熱が移動しにくくて蓄積されやすいから、温度が上がって燃えやすいんだ。
また、表面積が大きいと空気中にある酸素と触れやすいから燃えやすくなるよ。
本試験で狙われるポイント
燃焼は、可燃物、酸素供給源、点火源の3つの要素がそろって起こる。
固体の燃焼は、分解燃焼(紙、木材、石炭)、分解燃焼の中の自己燃焼(ニトロセルロース、セルロイド)、表面燃焼(木炭、コークス)、蒸発燃焼(硫黄、ナフタリン)に分かれる。
液体の燃焼は蒸発燃焼(ガソリン、灯油)のみである。
気体の燃焼は予混合燃焼、拡散燃焼に分かれる。
燃焼は、熱伝導率が小さく、乾燥度が高く、酸化されやすく、表面積が大きいものほど起こりやすい。
練習問題
問題 燃焼について、誤っているものはどれか。
(1)可燃物、酸素供給源、点火源のうち、どれか一つを取り除けば消火できる。
(2)二酸化炭素は不燃物だが、一酸化炭素は可燃物である。
(3)ガソリンは、液体の表面から蒸発した可燃性蒸気によって蒸発燃焼する。
(4)石炭は分解燃焼、ニトロセルロースは自己燃焼、木炭は表面燃焼、硫黄、灯油は蒸発燃焼する。
(5)灯油を噴霧状にして表面積を大きくすると、燃焼しにくくなる。
解答(5)
物質の表面積が大きくなると、空気中の酸素と触れる面積が増えて燃焼しやすくなります。