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[危険物取扱者・乙4]特殊引火物

危険物乙4の特殊引火物
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特殊引火物の性質(出題頻度☆☆☆)

特殊引火物とは、1気圧において、発火点が100℃以下、または引火点がー20℃以下で沸点40℃以下の引火性液体です。

引火点、発火点、沸点が第4類危険物の中で一番低く、燃焼範囲も広いので、最も危険な物品です。

ジエチルエーテルの引火点-45℃と、二硫化炭素の発火点90℃は第4類危険物の中で最も低いです。

さらに、特殊引火物の指定数量は50ℓと、かなり少なめの設定になっています。

特殊引火物の特徴は下記の通りです。

 

ジエチルエーテル

二硫化炭素 アセトアルデヒド 酸化プロピレン
水溶性 少し溶ける 溶けない 溶ける 溶ける
形状 無色透明
蒸気の臭気 刺激臭 不快臭 刺激臭 エーテル臭
蒸気の属性 麻酔性 有毒 有毒 有毒
液体比重 水より軽い 水より重い 水より軽い 水より軽い
蒸気比重 空気より重い
引火点(℃) -45 -30以下 -39 -37
発火点(℃) 160 90 175 449
沸点 34.6 46 21 35
その他

燃焼範囲が広い、揮発性が高い、

日光にさらすと過酸化物が発生し、爆発の危険がある

燃焼範囲が広い、

燃焼により、有毒な亜硫酸ガスが発生

燃焼範囲が広い、揮発性が高い、

熱や光で分解すると、メタンと一酸化炭素になる

揮発性が高い
保管 密栓して冷暗所 密栓して冷暗所。容器に水を張る、容器を水没。 密栓して冷暗所。不活性ガスを入れる。 密栓して冷暗所。不活性ガスを入れる。
予防 換気。静電気をためない。冷却装置で沸点以下にする。 換気。静電気をためない。 換気。冷却装置で沸点いかにする。 換気。冷却装置で沸点以下にする。
消火 窒息(耐アルコール泡、二酸化炭素、粉末)。一般の泡消火剤を使う場合は大量に使う。 窒息(泡、二酸化炭素、粉末)。水噴射。表面に水を張って水封。 窒息(耐アルコール泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物)。水噴射。 窒息(耐アルコール泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物)。水噴射。

オツドク先生
オツドク先生

水に溶けないものは、電気を通さず、静電気がたまりやすいから対策をしないといけないね。

水に溶けるものは消火に耐アルコール泡を使うよ!

オツドク先生
オツドク先生

二硫化炭素は水に溶けず、水より重い。

この性質を利用して保存することもできるよ。

容器の中に二硫化炭素を入れたあと、水を張ると二硫化炭素が水の下に沈むから、水の層で可燃性蒸気が漏れるのを防ぐことができるんだ!

本試験で狙われるポイント

特殊引火物は発火点100℃以下、または引火点がー20℃以下で沸点40℃以下の引火性液体。

ジエチルエーテルと二硫化炭素は水に溶けにくいので、静電気対策が必要。

ジエチルエーテルは水より軽く、二硫化炭素は水より重い。

ジエチルエーテルの引火点はー45℃で第4類危険物の中で一番引火点が低い。

二硫化炭素の発火点は90℃で第4類危険物の中で一番発火点が低い。

ジエチルエーテルの蒸気は麻酔性があり、二硫化炭素の蒸気は有毒である。

練習問題

問題 特殊引火物についての説明で、誤っているものはどれか。

(1)特殊引火物には発火点が100℃以下の危険物も含まれる。

(2)ジエチルエーテルは水に溶けず、水より比重が大きいので、容器に水を張って可燃性蒸気の発生を抑えることができる。

(3)ジエチルエーテルの蒸気には麻酔性があるが、二硫化炭素の蒸気には毒性がある。

(4)二硫化炭素は電気の不良導体なので、静電気をためないよう、材料に電気を通しやすいものをつかったり、液体の流速を遅くする。

(5)ジエチルエーテルと二硫化炭素は蒸気比重が1より大きい。

解答(2)

ジエチルエーテルは水に少し溶けて、比重は水より小さいです。

水に溶けず、水より比重が大きくて、容器に水を張って可燃性蒸気の発生を抑えることができるのは二硫化炭素です。

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