酸性(出題頻度☆☆☆)
物質が水溶液の中で(+)と(ー)のイオンに分かれることを電離といいます。
たとえば、塩酸は水溶液の中で以下のように電離します。
HCI(塩酸) → H⁺+CI⁻
水に溶けると電離してH⁺(水素イオン)を生む物質を酸といいます。塩酸、硫酸、炭酸などがあります。
酸を含んだ水溶液の性質を酸性といいます。
酸性の水溶液に共通する性質は下記の通りです。
- 青色のリトマス試験紙を赤色にする
- 酸味がある
- 塩基の性質を弱める
- 金属を溶かし、水素を発生する
塩基性(アルカリ性)(出題頻度☆☆☆)
水酸化ナトリウムは以下のように電離します。
NaOH(水酸化ナトリウム) → Na⁺+OH⁻
水に溶けると電離してOH⁻(水酸化物イオン)を生む物質を塩基(アルカリ)といいます。水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニアなどがあります。
塩基を含んだ水溶液の性質を塩基性(アルカリ性)といいます。
塩基性(アルカリ性)の水溶液に共通する性質は下記の通りです。
- 赤色のリトマス試験紙を青色にする
- ぬるぬるしている
- 酸の性質を弱める
- フェノールフタレイン液を無色から赤色にする
水素イオン指数(pH)(出題頻度☆☆☆)
水に溶けている溶質が電離する割合を電離度といいます。
酸、塩基は電離度が大きい場合、それぞれ強酸、強塩基といい、電離度が小さい場合、弱酸、弱塩基といいます。
水溶液中の水素イオン濃度をもとにして、酸性、塩基性の強弱を表す数値を水素イオン指数(pH)といいます。
電離度の大小を水素イオン指数(pH)で表すんだね!
水溶液にはH⁺とOH⁻の両方が必ず存在していますが、H⁺とOH⁻の量が等しいときを中性といいます。
中性のときpHは7となります。
H⁺が多いとpHは7より小さくなり、7に近いほど弱酸性、0に近くなるほど強酸性になります。
OH⁻が多いとpHは7より大きくなり、7に近いほど弱塩基性、14に近くなるほど強塩基性になります。
0(酸性)~7(中性)~14(塩基性)
pHは、7の中性を基準として、それより小さければ酸性、大きければ塩基性と覚えよう!
中和(出題頻度☆☆☆)
酸と塩基が反応して、塩と水が発生することを中和(中和反応)といいます。
たとえば、塩酸(酸)と水酸化ナトリウム(塩基)が反応すると、塩化ナトリウム(塩)と水が発生します。
HCl(塩酸)+NaOH(水酸化ナトリウム) → NaCl(塩化ナトリウム)+H₂O(水)
中和によって水が発生するのは、酸のH⁺と塩基のOH⁻が結びついて、H₂Oになるからなんだ!
水溶液の酸性、中性、塩基性を確かめるときに使うのがpH指示薬です。pHによって色が変わります。
pH指示薬は、酸と塩基の組み合わせによって使い分けます。分け方は下記の通りです。
強酸・強塩基=リトマス
強酸・弱塩=メチルオレンジ
弱酸・強塩基=フェノールフタレイン
弱酸・弱塩基=リトマス
本試験で狙われるポイント
水に溶けると電離して水素イオンH⁺を生む物質を酸といい、酸の性質を持った水溶液を酸性という。
水に溶けると電離して水酸化物イオンOH⁻を生む物質を塩基といい、塩基の性質を持った水溶液を塩基性という。
酸性の水溶液にリトマス試験紙を入れると青→赤になる。
塩基性の水溶液にリトマス試験紙を入れると赤→青になる。
水溶液は、水素イオン指数(pH)が7のとき中性、7より小さければ酸性、7より大きければ塩基性。
水素イオン指数(ph)が0に近いほど強酸性の性質になり、14に近いほど強塩基性になる。
練習問題
問題 水溶液の性質について、下記の記述のうち誤っているものはどれか。
(1)塩基とは、水に溶けると水酸化物イオンを生じる物質をいう。
(2)塩基性の水溶液に赤色のリトマス試験紙を入れると青色になり、酸性の水溶液に青色のリトマス試験紙を入れると赤色になる。
(3)phの値が6のとき、水溶液の性質は弱塩基性である。
(4)酸と塩基が反応して塩と水が生じる反応を中和という。
(5)中性の水溶液の水素イオン指数(pH)の値は7である。
解答(3)
phの値が7より小さいときは酸性になります。酸性は0に近いほど強くなるので、phが6のときは弱酸性といえます。