有機化合物とは(出題頻度☆)
一酸化炭素、二酸化炭素などの一部を除いて、炭素Cが含まれている化合物を有機化合物といいます。それ以外の化合物は無機化合物です。
有機化合物は、分子が鎖のような結びつき方をしている鎖式化合物と、分子が環状構造をしている環式化合物に分かれます。
環式化合物には、ベンゼン環という環状構造の芳香族化合物もあります。
官能基とは(出題頻度☆)
有機化合物の特性を表す原子団を官能基といいます。官能基の種類が分かると、有機化合物がどのような性質を持っているかを予想できます。
疎水性とは、水になじみにくい性質のことです。
官能基 | 有機化合物 | 性質 |
メチル基 | メタノール | 疎水性 |
エチル基 | エタノール | 疎水性 |
ヒドロキシル基 | エタノール | 中性、親水性 |
ヒドロキシル基 | フェノール | 酸性、親水性 |
アルデヒド基 | アセトアルデヒド | 還元性 |
カルボニル基 | アセトン | 還元性なし |
カルボキシル基 | 酢酸 | 酸性、親水性 |
ニトロ基 | ニトロベンゼン | 中性、疎水性 |
アミノ基 | グリシン | 塩基性 |
有機化合物と無機化合物の特性(出題頻度☆☆)
有機化合物の成分元素は主に炭素C、水素H、酸素O、窒素Nで構成されます。
成分元素が少ないわりに、有機化合物の種類は約2000万種類といわれています。
その理由は、分子式が同じなのに、分子内の構造が違う異性体があるためです。
有機化合物の特性は下記の通りです。
- 水に溶けにくい
- 有機溶剤によく溶ける
- 多くが非電解質
- 無機化合物と比べると分子量が大きい
- 反応速度が遅い
- 可燃性物質が多い
- 融点、沸点が低いものが多い
危険物には有機化合物が多く含まれるので、特性を覚えておこう!
無機化合物は5、6万種類と、有機化合物よりは種類が少ないです。
無機化合物の特性は下記の通りです。
- 水に溶けやすい
- 融点が高い
- 反応速度が速い
本試験で狙われるポイント
有機化合物の成分元素は主に炭素C、水素H、酸素O、窒素Nである。
有機化合物は水に溶けにくく、融点が低い。
無機化合物は水に溶けやすく、融点が高い。
練習問題
問題 有機化合物の特性として、誤っているものはどれか。
(1)有機化合物の種類は約2000万種類と多いが、それは成分元素が多いからである。
(2)一般的に、有機化合物は無機化合物より融点が低い。
(3)有機化合物は可燃性のものが多い。
(4)無機化合物が水に溶けやすいのに比べて、有機化合物は水に溶けにくい。
(5)危険物の中には、有機化合物が数多く存在する。
解答(1)
有機化合物の成分元素は主に炭素C、水素H、酸素O、窒素Nであり、少ない。
有機化合物の種類が多いのは、分子式が同じでも分子内の構造が違う異性体があるためです。