第1石油類の性質(出題頻度☆☆☆)
第1石油類は、1気圧において引火点が21℃未満の引火性液体のことです。
非水溶性(指定数量200ℓ)と水溶性(指定数量400ℓ)があり、非水溶性の方が危険性が高いです。
非水溶性のガソリン、酢酸エチル、ベンゼン、トルエンは静電気が発生しやすいので、静電気対策が必要です。
ガソリン | 酢酸エチル | アセトン | ピリジン | ベンゼン | トルエン | |
水溶性 | 非水溶性 | 非水溶性 | 水溶性 | 水溶性 | 非水溶性 | 非水溶性 |
色 | オレンジ(区別するために着色してある) | 無色 | ||||
蒸気比重 | 1より大きい | |||||
引火点(℃) | -40以下 | -4 | -20 | 20 | -11.1 | 4 |
発火点(℃) | 約300 | 426 | 465 | 482 | 498 | 480 |
沸点(℃) | 40~220 | 77 | 56 | 115.5 | 80 | 111 |
燃焼範囲 | 1.4~7.6 | 2.0~11.5 | 2.5~12.8 | 1.8~12.4 | 1.2~7.8 | 1.1~7.1 |
有機溶剤等 | 溶ける | |||||
蒸気毒性 | なし | なし | なし | あり | あり(強) | あり(弱) |
臭気 | 臭気 | 芳香 | 特異臭 | 悪臭 | 芳香 | 芳香 |
保管 | 密栓して冷暗所。 | 密栓して冷暗所。 | 密栓して冷暗所。 | 密栓して冷暗所。 | 密栓して冷暗所。冬に固化しても引火の危険あり。 | 密栓して冷暗所。 |
予防 | 換気。静電気をためない。 | 換気。静電気をためない。 | 換気。 | 換気。 | 換気。静電気をためない。 | 換気。静電気をためない。 |
消火 | 窒息(泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物) | 窒息(耐アルコール泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物) | 窒息(耐アルコール泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物)。水噴射。 | 窒息(耐アルコール泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物)。水噴射。 | 窒息(泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物) | 窒息(泡、二酸化炭素、粉末、ハロゲン化物) |
オツドク先生
危険物乙4の試験には、危険性が高いものほどよく出題されるよ。
危険性が高いのは、引火点や発火点が低い、燃焼範囲が広い、非水溶性である、蒸気に毒性がある物品だね。
ガソリンは危険物施設の中でも数が多いガソリンスタンドで使われる危険物で、引火点も低いから特に出題されやすいよ!
本試験で狙われるポイント
ガソリンの引火点はー40℃以下、発火点は約300℃、燃焼範囲は1.4~7.6。
ガソリンは分かりやすく区別するためにオレンジ色に着色してある。
ガソリンは非水溶性であり、静電気がたまらない対策をし、消火方法は窒息である。
ベンゼンとトルエンとピリジンの蒸気には毒性がある。
練習問題
問題 第1石油類の危険物についての説明で、次のうち誤っているものはどれか。
(1)ガソリンは非水溶性であり、給油の際はノズルに電気を通しやすい素材を使ったり、給油容器にアースをするなどの静電気対策をする必要がある。
(2)ガソリンの引火点はアセトンの引火点より低い。
(3)ガソリン、酢酸エチル、ベンゼン、トルエンは水に溶けない。
(4)ベンゼン、トルエン、ピリジンの蒸気には毒性があるので、より注意して取り扱わなければならない。
(5)ガソリンの引火点は常温(20℃)より高い。
解答(5)
ガソリンの引火点はー40℃以下で、常温(20℃)より低いです。