動植物油類の性質(出題頻度☆☆☆)
動植物油類は、1気圧において引火点が250℃未満で、動物や植物からとった油です。(指定数量10000ℓ)
動植物油類の油は、空気中の酸素と結びついて樹脂状に固まりやすく(固化)、固化しやすい脂肪油を乾性油、固化しにくい脂肪油を不乾性油、その中間の脂肪油を半乾性油といいます。
油脂100gに結びつく、よう素の量をよう素価といいます。
よう素価が大きい油は乾性油であり、不飽和度が高いので酸化しやすく、発火の危険性が高いです。
熱が蓄積しやすい状況だと自然発火の危険があり、液温が高くなるので消火が難しいです。
オツドク先生
第4石油類や動植物油類のように、引火点が高いものは引火の危険は少ない。
でも引火するときは高温になるぶん、一度火災が起きると消火が難しいんだ。
適切な消火方法を覚えておこう!
アマニ油 | ナタネ油 | ヤシ油、オリーブ油 | |
引火点(℃) | 200℃以上 | ||
水溶性 | 水に溶けない | ||
比重 | 1より小さい | ||
色 | 淡黄色または無色透明 | ||
油の性質 | 乾性油 | 半乾性油 | 不乾性油 |
用途 | ペンキ、絵の具 | 食用油 | 化粧品、食用油 |
よう素価 | 大きい | 普通 | 小さい |
不飽和脂肪酸 | 多い | 普通 | 少ない |
その他 | 燃え出すと液温が高くなり消火が困難 | ||
保管 | 換気して冷暗所 | ||
消火 | 窒息(泡、ハロゲン化物、二酸化炭素、粉末) |
本試験で狙われるポイント
よう素価が大きい=不飽和度が高い=乾性油=固化しやすい=自然発火しやすい(アマニ油)。
よう素価が小さい=不飽和度が低い=不乾性油=固化しにくい=自然発火しにくい(ヤシ油) 。
練習問題
問題 動植物油類の性状について、誤っているものはどれか。
(1)動植物油類の危険物のほとんどは引火点が200℃を超える。
(2)不飽和度が低い不乾性油の方が乾性油より固化しにくい。
(3)動植物油類の中でも、よう素価が大きいほど自然発火しにくい。
(4)アマニ油による火災が起きた場合、水による棒状噴射や霧状噴射は適切ではない。
(5)アマニ油は乾性油であり、ヤシ油は不乾性油である。
解答(3)
よう素価が大きいほど不飽和度が高くなるため、酸化しやすく、自然発火しやすいです。