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危険物乙4は簡単?難しい?←簡単ではない!!!

危険物乙4は簡単?難しい?←簡単ではない!!! [危険物取扱者乙4]試験情報
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危険物取扱者乙4の資格は「簡単」という意見と「難しい」という意見が真っ二つに分かれていますが、果たしてどちらの意見が正しいのでしょうか?

結論を言うと万人にとって決して「簡単」な資格ではありません。

その理由を説明していきます。

なぜ意見が分かれる?

危険物乙4の難易度について、「簡単」だと思う人と「難しい」と思う人が両方存在するのは、下の3つが原因と思われます。

  1. 試験の合格率
  2. 試験内容
  3. 学習方法

この3つに焦点を当てて、「簡単」だと思う人と「難しい」と思う人がどういう人なのかを解説していきます。

危険物乙4の合格率

危険物取扱者乙種4類の合格率は、令和2年と令和元年が38.6%です。(出典:一般財団法人 消防試験研究センター「試験実施状況」

他の乙種試験の合格率がすべて60%を超えていることと比べると、乙4の合格率は明らかに低く、ある程度難易度の高い試験のように見えます。

さらに、他の分野の比較的難易度が低い資格である、簿記3級やITパスポートの合格率がだいたい50%前後であることを考えても、乙4の合格率はやや低いと言えます。

このことから、「乙4の試験は難しい」と思う理由の1つとして、合格率がやや低いことが挙げられます。

ただ、乙4は国が法律に基づいて定めている国家資格です。

法律に沿って行わなければならない仕事に国家資格は必要になるので、国家資格の試験には法律に関する問題が出ます。

そのため、国家資格に合格するには法律を理解することが求められるので、難易度が高くなりやすいです。

実際、他の国家資格を見てみると、行政書士や公認会計士といった、合格率が10%程度の難関資格が多いです。

こういった難関資格が多い国家資格の中では危険物乙4の合格率は高い方なので、「簡単に受かる国家資格」というイメージにつながるのではと思います。

また、乙4の合格率が他の乙種の危険物試験と比べて高いのは、受験者数が多く、あまり勉強をしていない人も多く受けるからだという意見もあります。

たしかに、乙4類の受験者数が20万人はいるのに比べると、他の乙種は1万人程度なので、その分、「会社に言われて渋々受けた…」という人も多くいると思われます。

ただ、「受験者数が多い=まじめな受験者が減って合格率が下がりやすい」とすると、乙4の難易度は思ったより高いように思えます。

というのも、比較的難易度の低い簿記3級の受験者数も、乙4とほぼ同じ20万人程度で、合格率は50%前後です。

受験者数が多いと合格率が下がりやすいのであれば、同じくらいの受験者数の簿記3級と乙4であれば、合格率が10%程度低い乙4のほうが難易度が高いと言えます。

簿記3級より難しいとなると、必ずしも「乙4は簡単」だとは言えないのではないでしょうか。

試験内容

乙4の試験は「危険物に関する法令(15問)」、「基礎的な物理学及び基礎的な化学(10問)」、「危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法(10問)」の3科目に分かれて出題されます。

この3科目それぞれで6割以上正解すれば合格となります。

すべての科目で6割以上取らなければならないので、苦手科目を得意科目でカバーすることはできず、まんべんなく勉強しなければなりません。

試験内容は基本的に物理や化学といった理系の科目が中心になるので、理系の科目に苦手意識を持っている人には難しく感じるでしょう。

また、大まかな概念を理解すればいいだけでなく、「第1石油類の引火点が21℃未満」、「特殊引火物の指定数量は50ℓ」などと、暗記しなければならないことも多いです。

地道に暗記するのは意外と時間がかかり、人によっては単調でつまらないと感じるでしょうから、暗記することが多いことも難しく感じる原因の1つです。

ただ、 「基礎的な物理学及び基礎的な化学」の試験範囲は中学レベルの理科の内容がほとんどです。

中学は、ほとんど全員が卒業しているでしょうから、「乙4は簡単」と言う人もいるでしょう。

理系の科目が得意な人にとっては、すでに当たり前のように知っていることも多いので、より簡単に感じるはずです。

とはいえ、法律に関する問題や、単純な暗記作業など、文系に近い要素もあるので、理系科目が得意な人でも、苦労する部分もあるかもしれません。

乙4の試験内容で考えると、理系の科目や暗記が苦手な人は勉強するのに苦労するでしょう。

学習方法

資格試験の王道の学習方法は、過去問をひたすら解くことですが、乙4は公式の過去問題集は発売されていません。

公式サイトに参考として掲載されている問題が1回分あるだけです。

アプリや書籍やウェブサイト等、数多くの教材がありますが、本物の過去問は1つもなく、存在するのはすべて、公式サイトに掲載されている問題を参考にしたり、受験した人の記憶を頼って再現した予想問題です。

いくら精度の高い予想問題を作ったとしても、予想外の問題が出題されることも多くあります。

公式の過去問がなく、予想問題に頼らなければならない結果、予想外の問題が出て点数を落としてしまうこともあります。

乙4は3科目それぞれで6割以上をとる必要があり、 「基礎的な物理学及び基礎的な化学(10問)」と「危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法(10問)」 は10問しかないので、2問予想外の問題が出て間違えると、残り8問中6問を正解しなければいけません。

問題数が少ない分、予想外の問題が出たときに取り返しが付きにくいです。

公式の過去問がなく、予想問題では対応できない問題が出題されたときに、落ちる可能性が高くなるので、試験が思ったより難しく感じるのではないでしょうか。

まとめ

  1. 受験者数と合格率で見ると、簿記3級より難しく、簡単とは言い切れない
  2. 試験は理系科目が中心であり、苦手意識のある人には難しく感じる
  3. 公式の過去問がなく、予想外の問題が出題されることがある

危険物乙4の試験は、簡単に受かる国家資格のイメージがあり、気軽に受けたくなりますが、「簡単だから大丈夫」と舐めていると思ったより難しく、苦労することになります。