PR

危険物・乙4の一夜漬けはほぼ無意味なのでやめよう

危険物・乙4の一夜漬けはほぼ無意味なのでやめよう [危険物取扱者乙4]試験情報
記事内に広告が含まれています。

危険物の乙4は国家資格の中では難易度が低く、場合によっては一夜漬けでも合格することもできます。

ただ、私としては乙4を一夜漬けで合格してもほぼ無意味、むしろ時間の無駄ですらあると考えていますので、ここでその理由を説明していきます。

乙4は一夜漬けで合格できるか?

危険物の乙4は仕事につながりやすい国家資格で、そのわりには合格のハードルが低いため、人気の資格と言えます。

乙4の合格までの勉強時間は、およそ30時間~60時間くらいです。

上の勉強時間で見ると一夜漬けは不可能に見えますが、この勉強時間は確実に受かるために必要な時間です。

試験に出る可能性が高い定番の問題もあれば、予想外の問題も出題されます。

確実に合格するには大まかな重要ポイントだけでなく、細かいところまで勉強する必要があるので、これだけの時間がかかります。

逆に言うと、重要なポイントを抑えるだけならば10時間程度でなんとかなるので、試験に予想外の問題があまり出ず、定番の問題を確実に正解することができれば、一夜漬けでも合格できる可能性はあります。

さらに、乙4の科目には基礎的な化学と物理学が問われる問題がありますが、もともと中学~高校レベルの化学と物理の知識がある人は、この勉強は流し読み程度で終えることができるでしょう。

あとは「法令」と「危険物の性質と消火・予防方法」の2つなので、かかる勉強時間はかなり短縮できます。

つまり、もともと化学や物理の知識を持っている人であれば、危険物乙4の資格は一夜漬けでも取れる可能性は十分あります。

危険物乙4は3科目に分かれていますが、それぞれで6割以上の正解が必要です。

問題は5択なので、理論上は勘で答えても2割は正解します。

6割ー2割=4割分を、勉強によってまかなえばいいと思えば、化学と物理が得意な人ならなんとかなるかもしれません。

ただし、「予想外の問題がどれくらい出るのか」、「自分の知っている問題がどれくらい出るのか」、「五択の問題を勘で当てることができるかどうか」、という不確定要素に頼ることになるので、ギャンブルの要素が強くなります。

確実に合格を目指すなら、こまめに勉強した方が良いでしょう。

一夜漬けは評価につながりにくい

一夜漬けでも受かる人はいると思いますが、そもそも何のために危険物乙4の資格を取るのでしょうか?

大体は下記の2パターンに分かれると思います。

  1. 仕事のため(キャリアアップ・就職活動)
  2. 趣味

上の2パターンについて、乙4の資格を一夜漬けで取る意味を考えていきます。

1.仕事の為(キャリアアップ・就職活動)

危険物乙4はガソリン、灯油、軽油、重油などの引火性液体の性質や取り扱い方を中心に学びます。

こういった引火性液体の危険物を取り扱う会社は、必ず危険物乙4の資格を持っている人を採用しなければいけません。

そのため、比較的仕事につながりやすく、就職活動や社内でのキャリアアップのために乙4の資格を取る人が多いです。

また、より難易度の高い甲種試験の足掛かりとして乙4の資格を取る人もいるでしょう。

乙4の資格を求められる仕事の代表例として、ガソリンスタンド、タンクローリー運転手、ビルメンテナンス等があります。

これらの仕事を行う際、乙4の資格があれば手当が出たり、面接のとき、履歴書に乙4の資格が書ければ有利になります。

一夜漬けでも資格を持っていれば手当がもらえるのだからいいような気がしますよね。

しかし、よく考えると、資格を持っているだけでは評価が上がりにくいのです。

なぜなら、企業が求めているのは「資格を持つ人」ではなく「資格を持ち、知識がある人」だからです。

一夜漬けの場合、資格は持つことができても、知識は身に付きにくいです。

というのも、人間の記憶には一時的に記憶する短期記憶と、長期間記憶する長期記憶があり、勉強で長期記憶するには、一定期間内に復習する必要があるからです。

人が物を覚えるとき、まずは短期記憶をします。その中から「生きるのに必要な情報」が長期記憶になって私たちの記憶に定着するのです。

このとき、覚えたことを何度も復習すると、脳が「生きるのに必要な情報」だと判断して長期記憶になりやすくなります。

一夜漬けの場合、覚えたことを一定期間に復習しない勉強法のため、長期記憶になりにくいです。

そこで、記憶に定着しないままタンクローリー運転手の面接に行ったとします。

タンクローリーは灯油や軽油を運ぶことも多く、取扱いの知識がある乙4の資格を持った人が必要になります。

そのため、乙4の資格を持っていれば面接で評価されますが、もし面接官が知識の確認のために灯油の性質について質問してきたときに、一夜漬けで資格を取った人が質問に答えることができるでしょうか?

一夜漬けだと記憶に定着していないため、質問に答えられず、面接官に「資格は持ってるけど覚えてないのか…」と思われて落ちる可能性が高くなります。

また、知識についての質問がなかったとして、面接に合格することができたとしても、実際に仕事をするときには資格にもとづいたある程度の知識があるものとして扱われます。

資格を持っているから採用したのに、危険物について覚えていないとなると、スタートから期待外れと思われるかもしれません。

乙4の資格は仕事につながりやすい分、実際の仕事にも資格の知識を求められます。

知識になりにくい一夜漬けで資格を取っても、長い目で見ると良い結果にはつながりにくいです。

2.趣味

仕事で使うわけではないけど、趣味で資格を取る人もいます。

コレクター感覚でいろんな資格を取る人もいれば、知的好奇心や向上心で取る人もいるでしょう。

おそらく、知的好奇心や向上心で資格の勉強をする人は一夜漬けで資格を取ることはしないと思います。

一夜漬けでは知識が身に付かないので、自分の知的好奇心や向上心を満たすことができませんからね。

ただ、コレクター感覚で「いろんな資格を取ることそのもの」が楽しいひとは一夜漬けでもいいから早く資格を取りたいと思うかもしれません。

趣味であれば本人が楽しければ何でもいいと思いますので、趣味で「資格を取ることそのもの」が好きな人は資格を一夜漬けで取ってもいいかもしれませんね。

表面的な資格取得は意味がない

化学や物理が得意な人は危険物乙4の資格を一夜漬けで取ることも可能ではありますが、その勉強法で手に入るのは「危険物乙4の資格」のみです。

表面上、資格を持ってはいますが、知識として身についていないので、中身がありません。

中身がないと実際の仕事には役に立たない可能性があり、「資格を持っている」という肩書きによって期待されていることもあって、より「期待外れ」の評価になってしまいます。

一夜漬けといっても8~10時間は時間を使うことになりますが、実用性のない表面的な肩書きのために10時間も使うのは、むしろ時間の無駄ですらあると思います。

多少時間ががかっても、しっかり自分の記憶に定着するような勉強をして、危険物乙4の資格を本当の意味で仕事に活かせるようにすることをおすすめします。