消火の3要素(出題頻度☆☆☆)
燃焼を止めて消火するには、可燃物、酸素供給源、点火源の3つの要素のうち、最低1つを取り除かなければなりません。
燃焼の3要素を忘れていたら復習しておこう!
燃焼の3つの要素それぞれに対応した、除去、窒息、冷却という消火方法があり、これを消火の3要素といいます。これに抑制を加えて4要素と言う場合もあります。
消火方法は下記の通りです。
・除去
ガスの元栓を止めるなど、可燃物を取り除くことで消火する方法。
・窒息
燃焼物に、砂や土などの固体を被せる、アルコールランプにふたを被せる等の酸素供給源を断つ消火方法。
・冷却
火に水をかけるなど、点火源から熱を奪うことで消火する方法。
・抑制
燃焼物にハロゲン化物を使って、酸素と熱の連鎖反応を遮断することで燃焼をとめる方法。
燃焼は酸化の連鎖によって燃焼し続けるんだけど、これを連鎖反応といって、燃焼の3要素+1で4要素と言うこともできるんだ。
抑制消火はこの連鎖反応を止める消火方法だよ。
火災(出題頻度☆☆☆)
火災は下記の3種類に分けられています。
・普通火災(A火災)
木材、紙、繊維など、普通の可燃物による火災。
・油火災(B火災)
石油類などの可燃性液体、油脂類などによる火災。
乙4の範囲である、第4類危険物は油火災が当てはまるよ!
・電気火災(C火災)
電線、モーターなどの電気設備による火災。
消火剤(出題頻度☆☆☆)
消火剤は、水・泡系、ガス系、粉末系があります。
水・泡系の消火剤には、水、強化液、泡の3種類が含まれます。
普通火災(A火災)には、水・泡系の消火剤が有効です。
水の放射には棒状放射と霧情放射があり、棒状放射は油火災には向いていません。
また、水を使った消火方法は基本的に電気火災には使えませんが、霧状放射にすれば感電の危険が減り、有効手段になります。
水と同じく、泡による消火も感電の恐れがあるため、電気火災には向いていません。
水はどこにでもあって、比熱が大きいので、冷却効果の高い消火方法として重宝する一方、油火災や電気火災には使えず、大量の水を使うことで二次災害が起きる危険もあることを覚えておこう!
ガス系の消火剤には、二酸化炭素とハロゲン化物が含まれています。
ガス系と粉末系の消火剤は、油火災(B火災)、電気火災(C火災)に対して有効です。
二酸化炭素は水で対応できない油火災と電気火災に有効だよ!
二酸化炭素は電気の不良導体で、空気より重いから酸素濃度を下げて窒息消火できるんだ。
さらに、化学的に安定していて不燃性であることも使いやすいポイントだよ。
ただし、多く吸い込むと酸欠になるので、密閉空間で使うのは注意が必要なんだ。
どの消火剤がどの火災に使えるか、表にまとめたので一通り確認しましょう。
消火剤 | 消火方法 | 火災 | ||||
普通(A) | 油(B) | 電気(C) | ||||
水・泡系 | 水 | 棒状 | 冷却 | 〇 | × | × |
霧状 | 冷却 | 〇 | × | 〇 | ||
強化液 | 棒状 | 冷却 | 〇 | × | × | |
霧状 | 冷却・抑制 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
泡 | 窒息・冷却 | 〇 | 〇 | × | ||
耐アルコール泡 | 窒息・冷却 | 〇 | 〇 | × | ||
ガス系 | 二酸化炭素 | 窒息・冷却 | × | 〇 | 〇 | |
ハロゲン化物 | 抑制・窒息 | × | 〇 | 〇 | ||
粉末系 | りん酸塩類 | 抑制・窒息 | 〇 | 〇 | 〇 | |
炭酸水素塩類 | 抑制・窒息 | × | 〇 | 〇 |
本試験で狙われるポイント
可燃物は除去、酸素供給源は窒息、点火源は冷却、連鎖反応は抑制によって消火する。
第4類危険物による火災は油火災に当てはまるので、水による消火はできない。
練習問題
問題 消火の方法について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)普通火災に対して、水による棒状噴射で冷却消火を試みた。
(2)容器の中に入った灯油が燃えていたので、ふたを閉めて消火した。これは窒息消火である。
(3)水と強化液は霧状噴射なら油火災にも適応できる。
(4)電気火災に対して、二酸化炭素による窒息消火を行った。
(5)油火災に対して、ハロゲン化物による抑制消火を行った。
解答(3)
強化液は霧状噴射で油火災に対応できますが、水は油火災に対応できません。